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クライマックス(物語の結末へぶっ飛ぶよー)
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どうせなら、最後は彰仁として。死にたい。
「待って、お願い…待ってよ涼花。私…彰仁の事、好きだった」
知ってる。ずっと近くから見てた。
「涼花も彰仁の事が好きなのは知ってるよ。だから彰仁が死んだって聞いて彼に会った時も受け入れられなかった貴女は、貴女じゃなくなって彰仁の人格を作り上げたの。ごめん、知ってたけど貴女を傷つけたくなかったから…ずっと言えなかった。ごめんなさい」
「違う。涼花は…彰仁だ。涼花に憑依した、彰仁なんだよ!」
「じゃあなんで私と彰仁の二人だけの秘密を忘れちゃったの?貴方は彰仁じゃない。涼花なの!」
「そんなの知らないわ。私は…!」
涼花の声音が変わった。彼女にもうすぐ戻ると朱里は確信した。
しかし涼花は手に持ったカッターナイフを自身の首に突きつける。
「だめ、彰仁。やめて!お願い…」
「さよなら。朱里」
しかし、カッターナイフは突然地面に落ちた。
「なん、で?」
涼花はその場にへたれ込んだ。
朱里は最後の力を振り絞り涼花をぎゅっと抱きしめる。
「ごめんね…涼花。もう、貴女に寂しい想いはさせない。私が守るから!」
「…うん」
朱里は涼花を抱き締めて大泣きしていたが、涼花の表情はいつになく冷静で不敵な笑みを浮かべていた。
涼花は最後に一言
「朱里…ずっと一緒だよ」
終わり
からの?
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