暗夜の灯

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 見る?と言ってスマホを取り出した日高くんは、何度かスクロールを繰り返して一枚の写真を見せてくれた。 「かっ!!」  思わず出そうになった言葉を、両手で塞いで飲み込んだ。  ビックリ!めちゃくちゃ可愛い!今より更に目がクリッとしていて、完全にお人形さんか天使!  私の様子を見て、日高くんが声をあげて笑った。 「な、可愛いだろ」  それは自虐ですか?自慢ですか?  でもこれは誰が見てもそう思う。 「正直、並の女の子じゃ太刀打ち出来ない可愛さです」  私の言葉に日高くんは苦笑いする。 「でもかわいいなんて嬉しくないし、この顔も小ちゃい体も嫌で仕方がなかった。そんな俺のコンプレックスを、その子は取り払ってくれたんだ」  スマホに写る自分の幼少期を、笑って見つめる。 「その子みたいになりたくて。ちっちゃくても揶揄われても、せめて下を向くのはやめようって」  その言葉の通り、今の日高くんからはコンプレックスなんて感じた事がない。 「そっか。すごいね。日高くんも、その子も」  人を変えるだけの魅力を持っているなんて。 「そ、すごいんだよ」  そう、目を見つめられながら言われた。  ちょっ……顔面偏差値高い人に見つめられるなんて、免疫無さすぎて照れるんですけど。  耐えきれずに俯いたら、頭上から微かな笑い声が聞こえてきた。
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