第3話「数時間後…」

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コンビニに着くと俺はすぐにユニフォームに着替えて勤怠を押す。 082997e2-cc69-43a5-b1f2-c79679994f3a 「ギリセーフ…」 あと1分というところで間に合った。 それと入れ替わりで峰田が勤怠を押しに来た。 「お疲れ」 「連勤お疲れーっす」 連勤…か。 もう何日休んでないかな… シフト表を確認すると今日は夕方も深夜も仕事が入っておらず、明日の早朝まで空欄だった。 「? 何笑ってんすか天田さん」 「?? 笑ってたか?」 「ハイっす。 なんか面白いことでも?」 自分の顔に触れてみると確かに口元…口角が上がってた。 2e1ab6b5-86fb-4e21-9b0d-f0cfe5244bf5 壊れたか…な。 「気にすんな。 行くわ。 気ぃつけて帰れよ」 「うぃっす」 俺はバックヤードの冷蔵庫に入り、フランクフルトと中華まんを取ると調理室に向かう。 「おはようございます」 レジにいる朝パートのおばちゃん、田畑(たばた)さんに挨拶をしてフライヤーの準備をする。 (なんか…暗いなぁ) 天井を見上げるが照明はいつも通り。 俺の目がおかしいのか。 まともに寝たのは何日前だっけ。 まぁ、いいや。 もう手元を見なくても感覚で業務なんてこなせる。 フライヤーの品出しを済ませると今度は外にあるゴミ箱の袋の交換。 それもちゃっちゃと済ませ、外に設置された物置にゴミを捨てる。 嫌でも目に入る廃棄の弁当や惣菜。 まだ食えるのに捨てなければいけない決まりがある。 どのコンビニでもこれは決まっている。 勝手に食ったり、持って帰ろうものならクビになる。 …というのは決まりで、持って帰る奴、食うやつはいくらでもいる。 バレなきゃなんでもあり。 オーナーですら俺の勤務時間を操作してる。 本当にコンビニはブラックだ。 (ま…それでも分かって働いてる俺もイカレてるよな)
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