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第4話「今日は、休み」
「はーっ…ただいま」
寄り道もせずに家に帰るとすぐにじいちゃんがリビングから出て来た。
「おかえり、照貴。
お疲れさん」
「うん」
靴をしっかりと揃えて玄関に上がる。
これはじいちゃんがうるさいからやるようになった習慣。
靴を揃えない者は出世しないってのが口癖。
ここに住み始めて初めはよく喧嘩したなぁ…。
「はぁー疲れた」
ドカッと座布団に座り、テーブルの中央に袋を投げ、バッグは後ろにぶん投げてテーブルに突っ伏す。
「だいぶお疲れだな。
次の出勤は何時だ?」
「あー…明日の早朝まで仕事なし」
たぶん新人が入ったんだろう。
すぐ辞めたりして。
期待はしてない。
「良かったなぁ。
さっさとシャワー浴びて飯を食ってゆっくり寝たらどうだ?」
「動きたくなーい」
子供のようにそう言うとじいちゃんはやれやれといった感じで俺のぶん投げたバッグを漁り、スマホを俺の前に置いてくれて、視界から消えた。
その後は洗濯機が回る音がしたからじいちゃんがユニフォームを洗濯してくれたんだろう。
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