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(じいちゃんはすごいなぁ…)
こういうの、ポルターガイストとか言うんだっけ?よく分かんないけど。
力のある幽霊は物を動かす事が出来る。
じいちゃんも何十年もここにいるからたぶん力が強いんだと思う。
簡単な家事もしてくれるいい幽霊だ。
「酒」
俺は酒を紙コップに注ぎ、飲む。
「はーっ…美味い」
弁当のフタを開け、チキン南蛮をもそもそと食べる。
「おい、テル。昨日の弁当は?」
あー、そうだった。
昨日の弁当もあったんだった。
「食うよ。取って」
「仕方ないのぅ。
そっちは温めなくていいのか?」
「うん。冷たくてもいける」
じいちゃんが冷蔵庫から昨日のチキン南蛮弁当を取り出し、レンジで温めると俺の前に置いてくれた。
「ありがと」
テーブルに突っ伏して横を向きながらダラダラ弁当を食い、酒と交互に飲み食いする。
「お?これは求人誌じゃないか」
じいちゃんはテーブルの中央に置かれたビニール袋の中から田畑さんが入れた冊子を取り出す。
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