第11話「守護霊達」

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「ま、考えても仕方ないや。寝よう」 明日会社に香里ちゃんと文也君が来ていたら、その守護霊とやらを触ってみようかな。 ピンポンピンポンピンポン 夕方、外からドアベルを連打する音が聞こえる。 …うちじゃない。隣の部屋からだ。 外に出てみると萩野さんが東さんに絡んでいるところだった。 「いえ…お気持ちだけで大丈夫です」 「そんなこと言わずに。お近づきのしるしに、これもらってちょうだい」 そう言いながら萩野さんが押し付けているのはボロボロの古びたタオル類だった。 「何やってるんですか萩野さん! 嫌がってるじゃないですか!」 俺は東さんと萩野さんの間に入った。 改めて見ると穴の開いたボロボロのタオルが何枚も手にかけられていて、それを東さんに押し付けようとしているところだった。 「雑巾よ。いくらあっても足りないでしょう?使ってちょうだい」 「あの…本当に大丈夫ですから…」 「はいはい。萩野さんはもう帰ってください」 俺は東さんをドアの中に入れてあげて扉を閉め、萩野さんの背中を押して追い返す。
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