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ピンポーン
東さんの部屋の呼び鈴を鳴らすとすぐに東さんがシロ様と一緒に出てきてくれた。
「ほら雪子。私の言った通り来たでしょ?」
「うん。天田さん、どうぞ中に入ってください」
そう言われ俺は急いで東さんの部屋に入る。
俺が部屋に入ると、東さんは急いでチェーンロックをかける。
ピンポンピンポンピンポン!!
どんどんどんどん!!
「ちょっと!いるのは分かってるわよ!
食材渡しなさいよ!
なんなら私が料理を作ってあげるから!
それでおすそ分けすればいいんでしょ?!」
ドアの向こうで叫ぶ萩野さんの声が聞こえてくる。
「いい加減にしてください!!
もう、警察呼びますよ!」
「警察ぅ?
それは困るわ。捕まって拘留でもされたら保護も取り消されて、パチンコに行けなくなるじゃないの!
あんた私の趣味を奪う気?!
か弱い年寄りの趣味を奪ってそんな女の何がいいのよ!
今までのおすそ分けの代金請求するわ!
今すぐ100万円払いなさいよ!!」
すると東さんはスマホを取り出し、何か操作をする。
スマホから萩野さんのさっきの暴言が聞こえる。
「これ、警察に証拠として出しますね」
きっぱりとそう言う東さんはいつもの弱々しい感じはなく、むしろ怒っているようにも見えた。
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