第12話「初めて女性とお付き合い」

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「うわぁ!化け猫!!」 いきなりのシロ様の変身に俺は腰を抜かした。 「化け猫って失礼ね。そりゃ化けるわよ。 だって私、1000年くらい生きてるもの」 「せ、千年…」 「あんたはそこに座ってなさい。どうせ手伝う気ないんでしょ?」 「は、はい…」 というか 俺は料理ができない。 いつもコンビニの弁当 ばっかり食ってるし。 なんなら料理はじいちゃんがやってくれるから。 しばらく座っているとカレーの いい匂いがしてきた。 そして テーブルの上にドンとカレーの鍋が置かれる。 「できました。 お口に合うといいんですけれども…」 ゴロゴロ野菜とゴロゴロ 肉の入った とても美味しそうなカレー。 「すごい美味しそう!」 「ほら、お米よそってあげたわよ。 好きなだけ食べて行きなさい」 シロ様から受け取ったカレー皿に入った米の上に 俺はドバドバ とカレーをかける。 東さんもカレーをよそったのを確認すると 俺は手を合わせて 「いただきます!」 と言って食べ始める。 「うわ!!すごい美味しい!! これ 鹿肉?もっと 臭みのあるものだと思ってたけど全然 臭くない。 むしろすごく美味しい!!」 牛肉とは違う肉の味。初めて鹿肉を食べたけど、こんなにも美味しいものだったとは… 「香草をもみ込んでいるのよ。 香草は柿ノ木からもらったものよ」 「柿の木?」 「柿ノ木 猿江門(かきのき さるえもん)。 山のボス猿で、300年くらいは生きているかしら。 ミケのところからもらった賞味期限切れのお菓子を持って行くと松茸とか山菜、香草と交換してもらえるのよ」 なるほど… 化け猫ネットワーク恐るべし。
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