第13話「社長、そして始まるタイトル回収」

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第13話「社長、そして始まるタイトル回収」

翌日 俺はじいちゃんに起こされ 遅刻 ぎりぎりで会社に着いた。 「はぁ…はぁ…おはようございます」 ダッシュで来たから本当に疲れた。 息を整えると後ろからポンと肩を叩かれた。 「テルちゃんおっはよー! いい朝だね〜」 カオルだった。 カオルの後ろにはもう 幽霊はいない。 「おはようございます…カオルさん」 「ん。おっはよん。 テルちゃん ちゃんと寝たの? クマすっごいよ」 (全く…誰のせいだと) そう思ってると事務所のドアが開き、中から 土方さんと見たことのない中年の男が出てきた。 ピンポーンパンポーン ちょうど始業のベルが鳴る。 「おはようございます。 天田君は社長に会うのが初めてね」 土方さんがそう言うと 隣の中年の男は俺に小走りで駆け寄ってきていきなり 両手を掴み 「君、視えるんだね?! 祓える(はらえる)んだね?!」 と興奮気味に喋る。 「あ、うん?うん…あ…はい……」 驚いて俺は 変な返事をした。 「そうなのか そうなのか!やっぱりそうなのか!!君に」 「社長。天田君か驚いています。 まずは自己紹介からしてください」 土方さんにそう言われ、社長は俺からパッと手を離した。 「すまんすまん。 私がこの長屋 不動産の社長、長屋 雅史(ながや まさし)だ。 天田君!君には是非やってもらうことがあるんだ」 社長はそう言うとまた俺の手を握る。 「社長。もう仕事が始まっていますので話は応接間でしてください」 手厳しいな 土方さんは。 でもこんな話、周りで聞いている 同僚は引いてるし、できれば誰にも聞かれないところでしたい。 俺の気持ちを察したように 土方さんは社長を引っ張って事務所の方へと連れて行く。 俺もそれに続いた。
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