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焦る気持ちを抑え、できる限り早足で目的地へ向かう。 本来走って向かうべきなのだが贈るものが崩れてしまっては何の意味もない。 だけどそういう時に限って会いたくない人物に出会う。一体何故だろうか。 「あれ、どしたんすか」 既に月が顔を見せている時間帯なのにも関わらず遮光グラスをかける青山。 僕は正直に言うとこいつが嫌いだ。 青山は実戦経験もないくせに好奇心だけで入社したとんでもない輩だった。 元々地縛霊だったらしいが回収された時に何故成仏しなかったのか。 さっさと転生すればいいものを。 「いえ、別に」 青山に構っている暇はない。 「珍しく狩猟課にいないからどうしたのかと思ったんすけど……理由はそれっすか~~~やだなあもう」 青山は僕の手元を見て言う。 嫌なのはこっちの台詞だ。いいから退け。
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