1人が本棚に入れています
本棚に追加
「まさかと思うけどそのカッコで女性に会う気ですか」
青山は僕の手元だけに飽き足らず全身を見て言葉を続ける。
「…いけませんか」
「それちょっと残念っすよ」
ほっとけ。
「生憎僕は衣類これしかないんです」
「ちょまじすか!黒服ヘビロテっすか!エグすぎません?ヤバたんピーナッツなんですけど」
頼むから日本語で話せ。
「あれっすよね、ホワイトデーっすよね」
「…まあ」
「俺の服貸しますよ。今日くらい『ふいんき』変えてもいんじゃねっすかね」
…ふいんきってお前。雰囲気だろう、馬鹿。
「…馬鹿が感染(うつ)る」
「ひどくねっすかそれ」
明らかな暴言を吐いて見せても青山は落ち込む様子を見せない。やはりこいつ底抜けだ。
「生憎なんですけど急いでるので…」
「急いで着替えれば良いじゃないっすか!」
…ああもう面倒くさい。
最初のコメントを投稿しよう!