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「まさかと思うけどそのカッコで女性に会う気ですか」 青山は僕の手元だけに飽き足らず全身を見て言葉を続ける。 「…いけませんか」 「それちょっと残念っすよ」 ほっとけ。 「生憎僕は衣類これしかないんです」 「ちょまじすか!黒服ヘビロテっすか!エグすぎません?ヤバたんピーナッツなんですけど」 頼むから日本語で話せ。 「あれっすよね、ホワイトデーっすよね」 「…まあ」 「俺の服貸しますよ。今日くらい『ふいんき』変えてもいんじゃねっすかね」 …ふいんきってお前。雰囲気だろう、馬鹿。 「…馬鹿が感染(うつ)る」 「ひどくねっすかそれ」 明らかな暴言を吐いて見せても青山は落ち込む様子を見せない。やはりこいつ底抜けだ。 「生憎なんですけど急いでるので…」 「急いで着替えれば良いじゃないっすか!」 …ああもう面倒くさい。
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