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「いや、本当に今待たせてるので…」 彼女は気難しい。 下手に遅れようものなら機嫌を損ねて帰ってしまいかねない。 「そうかもっすけど、こういう時くらいはマジ印象変えた方が俺的には有り寄りの有りだと思うんすよ」 「何でですか」 何故こいつはそんなにこだわるんだ。 意味がわからない。 「いやーやっぱ女の子からしたら特別な日はいつもと違う方がこう、グッとくると思うんす」 「…はあ」 グッてなんだ。 「とにかくね、そんなヤバたんなクソダサやめた方がいいっす」 「ダサくて悪かったな」 「あ…っ!すんません!でも女の子がそうやって思っちゃったらアウトっしょ」 「…なに」 僕がダサいと言われた事は一先ず置いておく。 だけどアウトと言う単語だけは聞き流せなかった。 「贈り物が良くても渡す本人がアレだとちょっとアレっす」 「アレじゃわからない」 青山は語彙力がなさすぎて、いちいち理解に苦しむ。
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