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──────グイッ!
と、相兒に腕を引かれた。
ピシャンと閉まるドアの音。
たぶん、どこかの教室に入った............?
疑問に思っていると。
「......、高地、安心して泣け」
相兒の優しい声が聞こえてきて、
それが、私の涙を出させた。
「.........っ、ぅ、ごめ、相兒っ、」
「ん。気にすんな」
からかわれてる時も、
泣いてる時も、相兒は傍にいてくれる。
そう思ったら止まらなくって..................
「......っ、普結、こっち向いて!じゃなくて、」
気づけば、〝普結〟って呼んでた。
「ばーか。ズルすぎるよ、お前」
ひと言そう呟いてから。
──────ギュッ
と、私を腕の中に閉じ込めて。
「好きだよ、向衣」
そっと耳元で、囁かれた。
ずっと呼ばれたかった〝名前〟
それを、普結に、
呼び捨てで、呼んでもらえて、私は凄く幸せだ。
たぶん、この〝呼び捨て〟はこれからもずっと♡
fin.
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