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その時……。
あめ あめ ふれ ふれ かあさんが
じゃのめで おむかえ うれしいな
ぴっち ぴっち ちゃっぷ ちゃっぷ
らん らん らん……
夜空に響くように、少女の歌声が聴こえてきた。
え?
突然のことに、男達の視線があちこちに向かう。歌い手を探している。
まさか……!
城木は目を見張った。雨ふり少女?
次の瞬間、そこだけなぜか、ザーッと雨が降り始めた。
「うわっ!」
銃の男が怯んだ。
その隙を逃さない城木。素早く動き、銃を左のショートフックでたたき落とす。更に男の顎をアッパーでかち上げた。
男は壊れた人形のように崩れ落ち、ピクリとも動かなくなった。
残りの2人は、抵抗するのを諦め項垂れる。
いつの間にか、雨はやんでいた。
パトカーの音が近づいてくる。丘野がすぐに対応してくれたのだ。
その後、3人が警官達に連行されていくのを見送ると、城木はまたホームへと向かう。
スマホが鳴る。三ツ谷からだった。
「やあ、沢田彩子さんの居場所がわかったよ」
「三ツ谷君、やっぱり君は最高だよ。タイミング良すぎ」
そう言いながら、城木は人形を抱き上げた。
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