止むな、降り続けろ

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 彼は元々同僚の友達で、何度か飲み会で一緒だっただけの関係。同じ会社でもないので、連絡を取り合わなければ会うこともない。どうせお互いのことを知らないのだから、遠慮は禁物だと思う。 「今どうしたいか言って。わかんないから」 「……もう少し頻繁に会いたい。会えない距離じゃないよな?休みもだいたい一緒だし」 「うん、わかった」  納得した。最初からそう言ってくれればよかったのだ。 「どれくらい会いたいの?」 「……毎日」 「それは無理」 「二日にいっぺん」  私は首を捻った。そんなに会いたいか?一体私の何がいいのだろう。まだ体の関係もなかった。こんなに体の関係がないことも私にしては珍しいが、彼もさすがにそろそろ関係をもちたいと思っているのかもしれない。 「私とエッチしたいの?」  彼は少年のように顔を赤らめた。赤らめることでもないだろう。彼は背も高く、整った顔立ちで女性に困るような人生は歩んでいないはずだった。シャープな顎も高い鼻も私の好みとかけ離れてはいるが。 「それは、まあ、いずれは」 「今する?」  今日は週末だし、私の部屋にいるし、何の問題もない。 「そういうことではなくて」 「したくないの?」 「したいけど、今ではない、かな」 「今日、チャンスを逃したらもうないかもよ?」  彼は苦痛に満ちた表情を浮かべた。それなのに、しっかりと断ってきた。 「今日では……ない」  よくわからないなあと思った。 「会うの週末だけじゃダメ?」  さすがに毎日も、二日にいっぺんもきつい。 「いいけど、たまには途中で会いに来てもいい?」 「いいよ、連絡くれれば」  とりあえずその日はそのように話をまとめると、彼は夜遅いのにも関わらずさっさと帰って行った。毎日会いたいと言っているわりにはあっさりしている。やっぱりわからない。  泊まってもいいのにと思う。エッチを強要しているわけではない。してもしなくても泊まっていけばいい。付き合っているのだから。
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