止むな、降り続けろ

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 結局、週末は会うようになったが、全く進展はなかった。私からどうにかすればすぐに変わりそうな気もしたが、それもどうかと思いあえて何もしない。見守るのもそれほどイヤではなかった。 「私のどこが好きなの?外見?」  これを聞かないと始まらないと、この質問だけはすることにした。 「外見も好きだけど、初めて会ったときから好感度高かったよ」 「何で」 「何でって、まあ、いろいろ」  彼は言葉をあやふやに濁した。 「言わないとわかんないよ」 「追々でいいかな。ずっと言わなくてもいいし、俺だけわかってればね」  彼は満足そうに微笑んだ。  全然わからない。わからないから私がさらに突っ込んで質問してくると思っているのかもしれないが、私は質問しなかった。残念ながらそれほど興味もない。好きなんて気持ちはそんなものだと思っていた。  彼は毎日会いたいと言うわりに、平日に約束を促すことはほとんどなかった。このままだと別れるしかないと思う。だって本当に付き合っている意味がない気がする。友人のように全てをさらけ出して話すこともないし、性の捌け口にすらなっていない。 「いつでも別れていいんだよ」  そう言うと、もちろん彼は毎回不機嫌になった。 「それで俺が、うんって言うと思ってる?思ってないよな」  うん、思っていない。でも、どういう反応をするかには何度聞いても興味があった。 「わかったわかった。そっちがその気ならわかったよ、別れる」  お、これは初めてのパターンだと思った。 「……その代わり、俺と別れた後、俺以外の男と会うの禁止、俺以外の男としゃべるの禁止、俺以外の男と関わり合うの禁止。俺としか関わっちゃダメ。オーケー?」  私は無言になった後、ゆっくりと尋ねた。 「それって付き合ってるときより縛りがきつくない?付き合ってたら、他の男の人と会ってもいいし、しゃべってもいいし、遊んでもいいってことになるよ?」 「そういうこと」 「じゃあ付き合ってた方がいいね」 「でしょ?」  彼は安心したように笑った。本当にわからない。
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