晴明神社〜最強陰陽師安倍晴明〜①

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晴明神社〜最強陰陽師安倍晴明〜①

北野天満宮の後に比較的近くにある晴明神社(せいめいじんじゃ)に行った。もちろん菅原道真(すがわらのみちざね)を連れて。  ちなみに、杏佳(きょうか)たちの班は、神社に詳しい楓佳(ふうか)、杏佳がいるため神社巡りツアーになっているそう。  北野天満宮から徒歩20分で着く晴明神社は魔除け、厄除けの神社として有名だ。  ––––晴明公にお祈りすれば、不思議な霊の利益を受けることができ、さまざまな災いから身を守り、病気や怪我が治る–––とも言われている。  きちんと参拝し、御朱印もいただいてから、安倍晴明(あべのせいめい)について愛茉(えま)達に話したりしていた。道真は杏佳たちの会話を聞き取れていないようだった。近くにいるんだけどね!  今は道真を必要はないが、杏佳ガイドに見落としがあった場合”道真’sナビ(みちざねズナビ)”として補足してくれるので出したままにしている。  道真は杏佳の説明し忘れていたことを説明してくれた。(ここ来てから二回目) 『晴明の逸話を杏佳が説明し忘れているためそなたらに説明しよう。』  ―――ある日、晴明の屋敷に老僧が(わらべ)を連れてやってきた。晴明の陰陽道を習いたいと言うのだ。だが、この男、童と見せかけて式神を使っておった。そこで晴明は呪を用いて式神を隠すと、 「どうして人の供を隠すのか、私を試そうとしていたからだ。」と諭される。  しばらくして式神現れ、「式神をいとも簡単に隠すとは。」  と、老僧は晴明に弟子入りを乞うたそう。―――  道真は話し上手だな。  杏佳は、みんなが桔梗庵でお土産を買っているときに、一の鳥居の近くにある式神石像のあたりにいる二匹の白い犬が目にはいった。だが、道真、愛茉以外の人には見えていなさそうなので愛茉とほかの人に聞こえないように話した。 「Там белая собака. это не собака.(あそこに犬がいる。でもあれは犬じゃない。)」 「зачем ты знаешь?(なんでわかるの?)」 「Никто, кроме Эммы, меня и Митидзанэ, казалось, не мог этого увидеть.(愛茉と私と道真以外見えてなさそうだから。)」 〔杏佳と愛茉はさっさとお土産を買いました〕  陽緒と涼星はお土産を選びつつ、杏佳に意識を向けていた。涼星の眼には、杏佳が新たな才能を開花させようとしている様子が見えているそうだ。 「涼星、何の才能が開花してるの?杏佳は。」 婚約者の能力は流石に気になるようで、集中していると分かっていて涼星に話しかけている。 話しかけられた涼星もそのことは分かっているので、きちんと答える。 「なんでだろう。情報がまとまらない。杏佳の能力が俺の眼を弾いてる。これ本当に一人分?」 眼の能力を弾けるのは眼の能力だけ。つまり、杏佳は眼の能力を持とうとしている、ということわかった。 涼星の眼が慣れてきて杏佳の能力についてわかってきた。 「まず、能力を開花させているのは杏佳だけじゃない。愛茉も開花させてる。俺も視たことないけど、たぶんこの能力は『神を視る者(カミヲミルモノ)』だと思う。本当は霊力を持たない人に見られるんだけど、封印してる期間が長かったから開花出来るのかも。」 神を視る者とは–––その名の通り、人には見えない神を視ることができるである。生まれつき持っていることが多いが、後から見えるようになることもある。神だけでなく精霊が見えることもあるそう。 あの白い犬の周りに色んな色のほわほわして光ってるのがいる…なにあれ。 『そなたら、晴明の式神と精霊か見えておるのか?』 「「…え?」」 杏佳と愛茉が見えている精霊達は神である道真にも視えている。何故気付いたか…道真が見ていてわかるくらい(はてな)マークが付いていたらしい。 『晴明の式神のことだ。晴明本神(ほんにん)に聞くといい。』
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