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北野天満宮、ここでのちに国を揺るがす才能ある者を発掘することになる。 「無能なお前はいつまでここに居座るつもり⁉︎早く出てって頂戴!」  継母にこのような嫌味を言われている私・杏佳(きょうか)は今、修学旅行から帰ってきて久しぶりに父に顔を合わせていた。  久しぶり、というのも、式神を召喚する者を輩出する家である御巫(みかなぎ)家では、杏佳のように召喚術を持たずに生まれた人はイジメの対象なってしまう。そのため、父の気遣いで離れに双子の妹と住まわせもらっている。あと出来るだけ父、というより継母に会いたくない。 そのため、ほとんど祖母に育てられた。が、祖母はなぜか神社や日本神話のことをばかり教えていた。  双子の妹は楓佳(ふうか)という名で、召喚術は持たないものの、暴走した式神を制御できる「式守(しきもり)」を持つため重宝されている。 杏佳はクールビューティーみたいで冷たいイメージなのに対して楓佳は全く逆のイメージだ。  先程継母が私のことを「無能」と罵っていたが、中学校の修学旅行で召喚術を得ていたのだ。こんなことがなければ継母がいる本邸になんて行きたくない。 ということで修学旅行であったことを父に報告する。
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