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女の子にしてあげたことが、良い行いとして神様に認められた。
没収されていた天使の輪と羽を返され、子供の姿から元の姿に戻る。
子供の姿に慣れ始めていたから、元に戻ったら身体が重く感じる。
「子供の姿が名残惜しそうだな」
神様は悪戯顔をしながら言った。
「ま、まさか。そんなことないさ」
「これからは悪いことをしないようにな」
「分かってる。神様、一つお願いがあるんだけど……」
数日後、俺は雨上がりに出来た虹の上で、死者を天国へ誘導していた。
神様にお願いして、この仕事に就かせてもらったのだ。
最後の死者を誘導し、仕事を終える。
天界へ戻る前に、下界を見下ろす。
この前の女の子が、どこかで虹を見ているかもしれない。
「俺のことは見えてないと思うけどな」
そう言いながらも、どこかにいる女の子に向かって、大きく手を振った。
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