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気がつくと、下界の道に立っていた。
落ちてきた空を見ると、雲一つない青空。
周りには看板が付いた建物が多い。
道に停まっていた車のサイドミラーで、自分の姿を見る。
頭の上の天使の輪が無く、背中の羽も無い子供が映っていた。
神様め、本当に俺を子供の姿にしやがって……。
良い行いをするまで、天界へ戻れない。
良い行いって、なにをすればいいのだろう?
「うーん……」
確か、人間の落とし物を交番という所に届けると、感謝されていた気がする。
これなら簡単に出来そうだ。
落とし物がないか、地面を見ながら歩く。
道は綺麗にされていて、物が落ちていない。
下ばかり見ていると、人間にぶつかりそうになったり、赤信号を渡りそうになった。
このままではいつか事故に遭う。
落とし物を探すのはやめておこう。
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