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改めて、空に向かって叫ぶ。
「さっきの頼み方は悪かった!えーと……今までやってきたことも悪かったよ!反省する!だから、雨を降らせてほしい!ここにいる女の子の為にも!お願いだ!神様!」
だが、しばらく待っても何も起こらなかった。
これでも駄目なのか。
溜め息をついて、女の子に謝ろうとした瞬間。
「見て!雲が!」
「え」
あんなに晴れていたのに、雲が次々と出てきた。
ぽつぽつと空から雨粒が降ってきて、あっという間に本降りになる。
女の子はすぐに傘をさす。
広げたピンクの傘は、雨で咲いた花のようだ。
「風邪ひいちゃうよ」
女の子は俺を傘の中に入れてくれた。
「本当に神様と友達だったんだね」
女の子の顔を見ると、にこにこしていた。
俺の声が神様に届いたみたいだ。
こうやってお願いしたのは、初めてかもしれない。
女の子の笑顔を見て、俺も嬉しくなった。
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