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「ほんなら、ウチからでもええ?」
「はい、どうぞ。関西地区のマネージャーさんですね。なにかございましたか?」
画面が切り替わると長い睫毛が印象的な女性が映り、目力の強い視線をカメラに向ける。思わずドキリとする。
先ほどとは違い無礼講ということで、関西弁丸出しで話しかけている。
「せやねん。現場からの不満がめっちゃ溜まってんねんけど」
真っ赤なリップグロスが艶やかさを強調させる。ぷっくりとした厚めの唇を尖らせながら続ける。
「さっきもゆうたんやけど、ウチらの地区な、女子の実務担当者めっちゃおんねん」
「はい、存じ上げております」
「でな、スカート穿いとる女性担当者に高所作業やらすって、どないやねんっちゅう話やねん」
「おっしゃる通りです」
「一応な、スパッツ穿いたりして覗かれてもええようにはしてんねんけど、ええ気はせえへんな」
「確かに」
「上層部には何べんもゆうてんねんで?ほんまに。このままやったら現場の連中、セクハラで集団訴訟も辞さへん、ゆうてたで」
「それはまた、女性にとって屈辱的な不当な扱いを受けられましたね」
関西地区のマネージャーの話は終わった。
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