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「経営陣に物申したい!」
「こちらの勇ましい方は九州地区のマネージャーさんですね」
怒りが溜まっているのだろう。先ほどの月間報告の時とは違い、顔は赤く染まっている。唾を飛ばす勢いで食ってかかる。
「情報化の進む現代社会において、我が社が行っている昔ながらの仕事の進め方でいいのか?契約書は交わさず口約束だけ。成果が得られなければ首を切られて終わり」
「ええ、時代錯誤感は否めません」
「結局我々は使い捨ての駒に過ぎないのか。経営陣は代わりがいくらでもいると思い込んでいないか?」
「団塊世代の考え方が根強く残っていますよね」
「少子高齢化が進む現代で若手の後継者が育たない。ちょっとでも上手くいかなければ転職してしまう」
憤りの勢いは止まらず九州地区のマネージャーは捲し立てる。
「現場担当者の高齢化は進み、高所作業に危険が伴っているのを見て見ぬふりだ!その内、死人がでるぞ」
「ですよね。そうなった時に会社は知らぬ存ぜぬを貫き通すでしょう。担当者の自己責任だ、と責任逃れをすることも予想されます」
九州地区のマネージャーの話は終わった。
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