あの子

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「そう言えばさ、可愛い中学生の男の子覚えてる?」 「え?」 「ほら、小さくて、髪の毛サラサラで、肌も綺麗で目が大きくて」 よく見てんな。 「たまにあんたと一緒の時に、なんか視線感じてたのよねー」 こいつも気付いていたんだ。 「最近見なくなったよねー。乗る時間変えたのかしら」 「あー。いや、転校した」 「え?なんであんたがそんな事知ってんの?」 おいおい。 変な目で見るなよ。 「1度だけ話した事があるんだよ。その時に聞いた」 「そうだったんだ。うー。美少年がぁ。目の保養がぁ」 おもしれー。 本気で悲しんでるよ。 「あの子も、悲しんでたな」 ズキッ。 ん? なんで今、あの子の泣き顔思い出した? なんで、心が痛くなった?
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