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日曜日の朝は静かだ。道を歩く人はなかった。僕は公園に行く道を急いだ。
何年ぶりかな、あの子に会うのは。
ようやく公園に着いた。彼女はまだ来ていないようだ。
僕はベンチに座って待つことにした。
……変わってないなあ。
滑り台に、ブランコ、砂場。
子供の頃のままだ。昔はよく遊びに来ていたのに、大人になるにつれ、ほとんど来なくなった。
この公園で僕と彼女はよく遊んだ。
まだ誰もいないな。僕は少し遊んでみることにした。
滑り台。小さい頃は大きく感じたけれど、今は同じより少し高いくらいだ。
ここで僕と彼女は出会った。
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『わ、あぶない!』
滑り台で遊ぼうとしたら、何故か逆から滑り降りてくるその子の頭を、慌てて僕は受け止めた。
『えへへー、ごめんごめん』
逆さまになりながら無邪気に笑う女の子。ボサボサになった髪の毛がすごく印象的だった。
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それがあの子との出会い。
屈託のない笑顔を見せて、悪びれる風もなく、何度言ってもやめなくて。
そんな彼女が、子供ながらに、すごく愛おしく思えた。
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