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今度は砂場で山を作った。
彼女は道具を使うことを好まなかった。
何でも自分の手でやることが好きな女の子だった。
そんなことだから、口に砂が入ることもしょっちゅうで。それでも彼女は気にする様子もなく、面白がって遊んでいたっけ。
ブランコに乗ってみると、今までの景色とは違って見えた。
最初はゆっくりとこいで、それから、だんだん高くなっていく。
二十歳過ぎのいい大人が、こんな朝っぱらから公園でブランコに乗ってるなんて、笑われるかもしれない。
でも、僕はまるで、あの頃に戻ったように思えた。
しばらくブランコを漕いで、少し怖いくらいのところまで上がったら、また、ゆっくり下に下りて。
それを何回か繰り返す。
こうして公園で遊んでいると、昔の記憶がどんどんどんどん蘇ってくる。
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