アノマロカリスとアレックス

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 アレックスは少しオトナで体格もよいので、小石くんを見ていると、アレックスの少年時代を見ているような気持ちになる。はっきり言って、鼻血出る。  教師に対し「それを言ってどうなるんですか」と静謐なまなざしでクレームを言うところなど、クールなアレックスそのものだ。  あんまり笑わない小石くん。  アレックスも、時々しか笑わないんだよね。大事な時しか、笑わないんだ。  小石くんが笑う顔、見たいなあ。  小石くんの笑顔はSSR。つまりスペシャルスーパーレアってこと。SSRな小石くんの笑顔、一つでも多く欲しいな。なんて、思っていた。 「えっと、で、古生物って何?」 「えっ知らないの?」 「うん」 「まじ。古代生物のことだよ。恐竜とか。アノマロカリスが僕は好きで」 「アノマ? 聞いたことないな」 「知らない? 化石とか、見たことない? 実はこんな小石とかにもさ、ちょっとした化石が隠れてたりするんだよ。そういう調査とか研究を、やってみたくて」 「へぇ……」
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