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神は乗り越えられない試練を与えないという。どんな難事業であっても、その人ならば実現できると見極めたうえで命じるのである。神を信じる正義の人ノアは、それを分かっているからこそ神が自分に与えた試練を絶対に実現しようと猛烈に頑張り、そして燃え尽きつつある。
働けど働けど、神が建造を命じた巨大な箱舟は完成しない。いつまで経っても出来上がらないのだ。
ノアが建造予定の箱舟は三階建ての木造船である。建材は糸杉だ。糸杉はノアが暮らす地方では一般的な建築資材で入手は容易だが、三階建ての家を建てるのと同じ量が必要だから、それなりの値段になる。神に選ばれるだけあって、ノアは善良な人間だけれども、それだけに大金持ちとは程遠い暮らしぶりだ。巨大な木造船を建造するための材料費も、船大工を雇う金もない。従ってノアは船を自作するべく、その建材を切り出すため山に入ったが、これが人の持ち山で、違法伐採で捕らえられてしまった。散々な目に遭って釈放され、へとへとになって家に戻ったら、進捗状況を尋ねに来た神が待っていた。細木で作った船の模型だけ完成し、他は何も出来ていないことにご立腹の神は、ノアの怠慢を責めた。ノアは泣いて謝った。
「ごめんなさい、一生懸命やっていますけど、金も人手も足りません。このままでは期日までに終わりません。ワンオペだと限界なのです。どうかお助け下さい」
それも道理なので神はノアに金と人を確保する方法を教えた。
「分かったな、異世界に転移して目的のモノを獲得せよ」
神の力でノアは異世界に転移した。
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オールドミスという言葉は死語だと言うけれど、婚期を逃した高齢女性が消えたわけではない。だって、私がそうだから。寂しくないと言ったら噓になるし、将来への不安はあるけれど、それは結婚していたって同じだ。私のように高収入の女なら、むしろ一人の方が老後の生活は安泰かもしれない、とも考える。子供の教育資金だとか嫁ぎ先の義両親の介護費用とか、面倒臭そうだし。自分の二親を看取って天涯孤独となった身の上は気楽と言えば気楽だ。
夜更けに酒を飲みながら、貯金通帳を眺めてほくそ笑むのは、私だけの癒しの時間。さて、顔を洗って寝るかな~と思っていたら、思い出してしまった。新しく部下となった外国人男性の仕事ぶりを評価しなければならないのだった。
中途採用したから即戦力なのかと思ったが、最初の一週間は散々だった。二週目以降は使えるようになった、というところだろう。でも、まだまだだった。正直、どうして人事が採用したのか分からない。悪い人間でないのは分かる。有能でキレキレというタイプではないけれど、好ましい性格で誰からも愛され、取引先や同業者の間で早くも人気者になっている。私とは正反対の人間だ。羨ましい。いや、妬ましいというべきか……と、そんなことを考えながら寝て起きたら、朝だった。畜生! 就寝前の高価なフェイスマスクをやらないでしまったぜ! それもこれも、あいつのせいだ!
外回りの仕事を終えてから社に向かう途中で、中途採用の外国人の部下と会った。駅の改札口でバッタリだった。出口まで並んで歩く。曇り空を見て、傘を持ってないと言うあいつ。準備を怠るな! とは思わない。別のことを思った。どうか雨よ降れ、そしたら私の傘に誘えるから。
え、ちょっと、え、え、ちぃと、ちぃいと待って。私どうして、そんなことぉ考えてんの? あいつと一緒に傘に入りたいなんて、マジ思ってんのぉ? 意味不明だって、自分でも、意味分かんない。ありえない! あいつと相合傘なんて、絶対にありえないんだからねッ!
ドギマギしているせいで折り畳み傘を開くのに異様なまでの時間が掛かっている私に、あいつは言った。
「実は僕ノアって言います。履歴書に書いた名前も経歴も、何もかも出鱈目です。職歴の最後は、本当は……僕、今、神の命令で箱舟を作っているんです。大洪水を起こして世界を滅ぼすつもりだが、お前の家族と雌雄一対の全動物だけは助けるので、それらを収容する巨大船を建造しろと、神に命じられたのです。それで」
私は折り畳み傘を落とした。ノアという本名の外国人男性は傘を拾ってから言った。
「突然で恐縮ですけど、結婚して下さい。船の建造資金を持っていて、僕の子供をバンバン生んでくれる賢くて強い妻を探しに、僕はこの世界へやって来ました。あなたはピッタリの女性なんです」
馬鹿にされている! と私は思った。怒りのあまり涙が出てきた。なんて酷い奴だ! 私はもう、子供をバンバン産める年じゃないのに……そう思った途端、涙が止まらなくなった。周囲の人が遠巻きに眺めているのが分かる。俯いて目を瞑り顔を両手で覆って泣く。まるで幼い子供のように。
そんな私を優しく抱きしめて、あいつは言った。
「僕、実は五百歳か六百歳で、あなたと比べたら本当に爺さんで、この世界の年の差婚のレベルを超えているんですけど、でも、向こうだと普通です。あなたぐらいの若い女性なら、幼児婚になってしまいますから、あなたが僕の世界の基準で成人するまで清い関係でいるつもりです。あ、僕は長生きします。あなたを一人になんか、絶対にしません。あなたが好きだから、僕は死にません。絶対に死にましぇん!」
こんなプロポーズ、絶対に断ってやる! と決意した私が両手を下ろし目を開くと、そこは私の知らない異世界だった。
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ノアは異世界から生涯の伴侶を伴い帰還した。妻の財産で建造費を賄い、遂にノアの箱舟は完成したのだが……番の動物を捕獲するのは不可能と思われた。妻の持参金は巨大船建造で消えた。世界中の動物を捕らえるハンターに払う金はない。身重の妻に無理はさせられないので、ノア一人で頑張るしかないのだが、いくら何でも無理というものだ。
ノアは祭壇を作り生贄を捧げて神を呼び出した。
「おお、やっと箱舟が完成したな! それでは次の段階だ、全部の動物のカップルを捕まえて来い。全種類だぞ? 漏れがあったら天罰が下るからな!」
「神様、それは酷すぎます! どうして僕がこんな目に遭わないといけないんですか?」
「それはお前が良い人間だからだ」
「良い人間ばかり苦労するのは間違っていますよ。良い人は頼みを断れず、無理して倒れてしまうんです。だから悪が栄えるのです」
「なに、お前、神のやることに文句があるのか?」
「いいえ、滅相もございません」
「じゃ、早くやれ」
「でも、私だけでは狩りはできません。チームを組んでやらないと」
それはもっともなことだと神も思ったようで、応援を送るとノアに約束した。
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1858(安政五)年に江戸幕府はアメリカ・イギリス・フランス・ロシア・オランダと五か国条約を締結し、それらの国々に対し横浜・神戸・長崎・新潟・函館の五港が開港された。日本と海外との貿易拠点となった開港地には外交官や貿易商人が暮らするための居留地が建設される。鎖国体制下においても出島にオランダ人が滞在し唐人屋敷では清国人(中国人)が生活していた長崎以外の土地の居住者にとって、それは大きな衝撃だったと思われる。今日の感覚だと宇宙人が隣に引っ越してきたようなものだろうか? いや、それほどでもないか。
まあ、最初の衝撃は大きかったろうが、そのうち人は慣れていく。そして新しい環境に適応するようになる。異国人も食事が無ければ生きていけないことを知ると、食べ物を売って儲けようと考える者が現れた。外国の貿易商が絹製品を求めていると知ると、近隣からの生糸を買い集めて売り込みを図るようになる。外国語の習得を志す若い侍の姿が開港地に目立ち始めた。以前は蘭語(オランダ語)の学習を目的に長崎へ留学していた学生たちが、今度は英語やフランス語その他を学ぶために外国人居留地の門を叩くようになったのである。
そういった勉強家の中に某藩の下級武士を名乗る若者がいた。語学と医学の勉強をしたいのだという、眉目秀麗で聡明な美男子だった。人間嫌いを自認する某国の外科医エフ氏は、その日本人武士の知性と真面目さを買って弟子入りを許した……とエフ氏当人が周囲に語っていたのだけれど、彼の同国人たちは別の見方をした。評価したのは見た目だ、というのである。
エフ氏には同性愛者の疑惑があった。それが事実なのか、日本にいる同国人の誰も分からない。ただし、その種の醜聞で本国にいられなくなったのは事実なので、その噂を皆が信じた。
大きなお世話としか言いようがないが、真相は如何に?
真だった。
曇り空を見て、傘を持ってないと青年武士は言った。エフ氏は思った――どうか雨よ降れ、そしたら私の傘に誘えるから。
エフ氏は二人の距離を少しでも縮めたいと願っていた。同国人たちが自分の性癖を知っており、そのために彼らが自分を軽侮していると彼自身、気付いている。
だから何だというのか? あいつらのことなど、知ったことか! 自分は、この日本人青年を愛している。二人で一つの傘に入れば、それだけ距離が近くなる! その積み重ねが、やがて愛情となっていく……とエフ氏は信じている。
信仰心の篤いエフ氏は愛の成就を願って、神への祈りを欠かさずにいた。
その願いが神に届く――愛が完成したのではなく雨が降っただけだが。
今日の講義が終わったので公館を去ろうとする青年武士をエフ氏が呼び止めた。
「雨が止むまで待ったらどうかね?」
勉学に励んでいる青年武士は外国語の簡単な日常会話ができるようになっていた。
「いえ、暗くなる前に失礼します」
そう言って外に出た青年武士の後を、傘を持ったエフ氏が小走りで追いかける。速足で歩く青年武士が居留地を出る寸前で追いつく。
「宿まで送るよ」
「そのようなご面倒を先生にお掛けすることはできません」
「なに、散歩のついでだから。もうじき日が暮れるから、すぐに帰るさ」
そう言われると、教え子の青年武士は断れない。二人は相合傘で居留地を出た。季節は六月、梅雨時である。エフ氏の故郷には、梅雨がない。そんな話をしながら歩く。嬉しくて声が弾むエフ氏の横で青年武士は黙り込んでいる。無理やり相合傘の入れてしまったので、気を悪くしたのかも……と恋する男エフ氏の心は乱れた。しかし沈黙の理由は別にあった。
「傘に入って歩くのは、生まれて初めてです」
青年武士は武士階級の人間だが、下士と呼ばれる低い身分の人間だった。彼の藩では傘の差せるのは上士といわれる高い身分の特権であり、その階層の武士以外の者が傘を差していたら、問答無用で殺されるのだという。
「ですから私は今まで傘を差して歩いたことがないのです。そのせいで緊張してしまっています。ふふ、こうして濡れずに歩けるのは素敵なことですね。これも先生のおかげです。本当に嬉しいです」
笑顔で語る青年武士の隣でエフ氏の心は悲しみに濡れた。理不尽な差別に負けず向学心に燃える、この好青年と二人で暮らしたい、と心から思う。それが無理だとしても今は二人、雨の中を相合傘で歩き続けたいと願った。
そんなこととは露知らず、青年武士は笑ったまま恐ろしいことを告げた。
「立ち止まらず、大声を出さず、頷いて下さい……私たちは刺客に尾行されています。隙を見て襲ってくるつもりでしょう。恐らく、攘夷を唱える者たちです」
思いもかけぬ青年武士の言葉を聞いてエフ氏は驚いた。だが、その危険性はかねてから外国人の間で噂になっていた。自分たちの命を狙う過激派が外国人居留地の周辺をうろついていると。
攘夷つまり外国人排斥を唱える過激派は、開国後の物価高騰と歩調を合わせるかの如く勢力を強めている。経済の混乱は外国人が悪い! というのである。半分は当たっているだろうが、残りの半分は江戸幕府のミスだった。日本に不利な不平等条約を天皇の許可なく締結した井伊大老が悪い! と考える者たちが桜田門外の変を起こすわけだが、それは本稿と無関係である。
青年武士は、さりげない仕草で刀の鯉口を緩めた。呟く。
「もうすぐ敵は仕掛けてきます。私が振り返ったら、貴方は路傍の紫陽花の陰に隠れて下さい」
言い終えると青年武士は振り返って駆け出した。エフ氏は傘を放り出して言われた通り路傍の紫陽花の陰に隠れた。
青年武士は敵中に突進した。虚を突いて襲い掛かるつもりだった攘夷派の刺客たちは、逆に虚を突かれる格好となった。剣戟が始まった。青年武士の剣技は見事だった。数名の襲撃者が立ちどころに斬り倒された。生き残った者の大半が「わっ!」と叫んで逃げ去った。青年武士の腕前を見れば当然の選択だった。
だが、それでも逃げない侍がいた。
その男は強敵だった。凄腕の青年武士と互角に渡り合っている。二人の果し合いは、殺し合いというより、息の合った剣舞のようだった。剣道を知らぬエフ氏も、巻き添えを恐れ民家に逃げ込んだ町人たちも、恐怖を忘れ驚嘆の眼で眺めた。
雨脚が次第に弱まってきた。日没まで時間はわずかだった。薄れてきた雲が茜色に染まる。しかし美しい梅雨の空を気にする者は、今そこにいない。美しい死闘に目を奪われているのだ。
やがて青年武士と攘夷派の刺客は背後にパッと飛び退いた。
刺客の武士が言った。
「腕前は衰えておらぬようだな」
青年武士が答える。
「おぬしも」
刺客の武士は、ぐすりと笑った。
「異国人の男に心を惑わされ、俺への愛情を捨てただけでなく、攘夷の契りまでも失ったお前に褒められても嬉しくはない。俺は今ここで、愛するお前を斬る。攘夷のために愛を斬り捨てるのだ」
青年武士は刀を上段に構えた。
「どちらが勝るか、ここで決めよう。おぬしの攘夷と俺の愛情……いざ勝負」
二人は一気に間合いを詰めた。互いの刀が交錯した瞬間、両者の動きが止まった。雨が止み、雲間から月が顔を覗かせた。この戦いの行く末を見届けるかのように。
雨月の下、立ったまま動かぬ二人の武士を異国人エフ氏や町人たちは声もなく、ただ見つめ続けている――違った。見物人たちは一斉に驚きの声を上げた。
戦っていた二人の武士が忽然と消えてしまったためである。
「こ、これは一体どうしたことだ?」
そう言いながら消えた二人がいた場所に立ったエフ氏の意識が一瞬遠のいた。気が付くとエフ氏の目の前に、青年武士と攘夷派の刺客が立っている。その手にあるのは投げ縄だ。
「こ、これは一体?」
青年武士と攘夷派の刺客は事情を説明した。二人は異世界の神に召喚され、この世界で動物ハンターをすることになったのだという。
「悪に汚染された世界を浄化するのだという。そのために絶滅する動物を保護するのが我らの役割だ。浄化と攘夷は似ている。そう考えると、これは俺に向いた仕事だ」
攘夷派の刺客は不思議な理屈を言った。当人が納得しているのならば、それで良いだろう。
青年武士は別の理由を言った。
「これは愛のための仕事です。悪のいない愛に溢れた世界を創るため、ここで働くことにしました。でも、それだけではありません。私たちの義父となったノア氏は、私たちが嫁を取ることを条件に、私たちの関係を許して下さいました。そして優れた医師であらせられる先生の召喚も許して下さいました。先生も動物の確保に従事していただきますし、結婚も義務です。それは先生にとって、辛いことなのかもしれません。それでも私たち三人は、ここで三角関係を作って愛し合うことができます」
三人の妻が後に現れるので三角ではなく多角関係になると思われるが、それはこの際どうでもいい。その条件をエフ氏は受け入れた。彼は同性愛者だが、それでも女性と関係することは可能だったのだ。
ノアは三人の義理の息子たちと一緒に、車輪と帆で陸上を移動できるように改装した箱舟で世界中の動物の番を捕らえて回った。三人の妻探しは神の役割となった。干ばつに見舞われた村は、山神への祈りと共に、若い娘を生贄に捧げることを決めるが――その山神とノアの神が同一の存在か別物か? それは不明だが、生贄に捧げられる予定だった若い娘三人がノアの義理の息子――三人は新たにセム、ハム、ヤペテの名を貰った――たちの嫁となった。
§ § § § § § § § § § § § § § § § § § § § § § §
動物全種の番を捕獲するまで、神は洪水を起こさない。ノアたちは、そう信じていたが、それは考えが甘かった。悪徳の支配する地上を、神はさっさと滅ぼしたくてたまらなかったのである。
大雨、長雨、豪雨、台風、線状降水帯……これらの自然災害で環境が破壊され、悪人ばかりでなく罪のない動物たちも犠牲となり始めた。
ノアは神に祈った。全動物の番を確保するまで、洪水を起こさないで下さいと。
神はノアの願いを聞き入れた。ただし条件があった。神が許せぬ悪党を、神に代わって処刑せよ! と命じたのだ。
息子たちの手を血で汚したくなかったノアは、処刑人となって神の名の下に殺人を繰り返した。雨の日に人が殺される事件が続発。現場には必ず、逆さてるてる坊主が残されていて……と書かれた聖書外典があるとされているが、そこに記載された事件はノアの犯行である。逆さてるてる坊主を吊るしたのは全動物のカップルを捕らえるまで洪水発生を遅らせようという思いからだった。
別のことも思った。
神は自分の家族以外の全員を溺死させようとしているが、それは正しいことなのだろうか? 生きるために悪の道に進まざるを得なかった者だっているだろう。飢えた子供のためにパンを盗んだがゆえに罪人となった根は正直者の親だっているだろう。それをまとめて溺れ死にさせるのは、本当に正しいのか?
神は自分たちの家族を生かしてくれるが、自分たちの子孫が永遠に善人とは限るまい。ここで滅んだ悪徳が再び栄える日が来ないとも限らないのだ。それは神の判断が誤っていたことを意味する。しかし全知全能の神が過ちを犯すことが、本当にあるのだろうか?
ノアは考えたが、答えは出なかった。
やがてノアたちは、全種類の動物の番をゲットした。コンプリートした晩から雨が降り始め、遂に地表は水浸しになった。
洪水が引くのを船内で待つノアは小さな蝋燭の明かりで聖なる書物を読んだ。そこには、こう書かれていた。
『じめじめした季節は晴天が恋しくなりますが、雨が降らなければ人も動物も生きてはいけません。』
その通りだとノアは思う。
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