第四話

22/29
前へ
/151ページ
次へ
いや…ショックどころじゃないよな。きっと激怒して…もう今みたいに僕のこと見てくれなくなるよね。 今、僕に向けられている好意も 僕じゃない誰かに向いてしまう。 僕は本当にワガママだな。自分の都合ばかりだな。 片思いしていた時は 自分が こんなにワガママだとは思わなかった。 沢村くんに本当のことを言えず…ずるずるしている自分が すごく嫌だ。 「うおーっ!!優勝者が決定したぞー!」 えっ?もう優勝者が決まったの?沢村くんは?どうなったの? 「すげー!あの沢村を負かしたぜー!」 ええー!沢村くんが…負けた?うそ…! ステージに向かって歩いてくる男子が目に入った。 その男子の周りから 生徒達が道を開けるかのように端へと移動していく。 誰だ?あの男子。見るからに幼い気がするんだけど。 沢村くんは どこ?どこに行ったんだ? 「葉月先輩、今日は 見学に来てくださりありがとうございます。俺、一年の椎野 咲耶です。初めましてですよね」
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加