第一話

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僕は幼い頃から自分は女の子なんだって思い込んでいた。両親も周りの大人も女の子として育ててくれたからってのもあるから 自分の性別を疑うことなんて無かった。 それに…僕は…めちゃくちゃ可愛いし、顔や身体つきも どこからどう見ても女の子にしか見えない。 そして 名前が「園田 葉月」ってー 両親が男の子でも女の子でも 通用する名前にしたらしい。 自分が女の子じゃなくて男の子なんだって気付いたのは小学生になってからだった。 プールの授業がある時に 母さんが 「水着は、どっちにする?」と、聞かれたからだ。 その時は 女の子用の水着を買ってもらって 普通に女子更衣室で着替えて プールの授業を受けた。 高校生となった今では、消えて無くなってしまいたい程の恥ずかしい記憶。 だって、僕…完全なる変態じゃん!いくら小学生低学年だとしても 同じ歳の子からすれば変態にしか思えないものだ。 もっと早く男の子として目覚めていれば良かったのだ。 そうすれば…こんな悩み多き人生ではなかったと思う。 何故なら 僕は 今の今まで、女の子として日々を送って来ているからだ。 言えなかった…っていうよりも 言えないよ!両親以外の周りは 僕が女の子だって信じているし、今更、男です!って言ったら…確実に変態扱いされて人生終わる。 だから 僕は決めたんだ。高校を卒業したら 誰も僕を知らない場所で男の子として生きて行く!って!
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