第2話/純心と屈折と

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その4 新入生の定期健診は、採血と血圧測定を除いた各市町村の一般健診に準じていたが、代わりに歯と口腔、アレルギー症状の診断側面から皮膚の発疹をチェックする項目がメニュー化されていた。 従って、後者の観点から、男子は上半身裸が求められた。 健診対象者は10人単位で、各診断のブースに待機し、いわゆる流れ作業で実施される形態だった。 そして律也のクラスに健診の順番が、回ってきた…。 *** 2時間目が終わった後、1組から招集がかかり、男女別れて新入生定期健診の配置が敷かれた。 診断順序は出席番号順ということで、この中学では苗字の五十音がそれだった。 河合律也は前から6番目…。 順当に健診を受ければ、2組のユウトとはよくてニアミスというのが、彼自身の見立てであった。 彼は計画通り実行することを決意していた。 すなわち、診断の順番を後ろにずらす…。 そう言うことだった。 何しろターゲットのユウトの名字は”アオシマ”である。 どう考えても、出席番号は1番か2番である。 端的に、1組の最後尾に付けば、真後ろが、上半身ハダカの”彼”と言う可能性はかなり高い。 そんな想像をしていた律也は、心臓の鼓動がドクドクを音を立てて全身を俄かに震動させていた。
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