第2章 同棲生活、始まります

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(だけど、お腹が空いていたのだから仕方がないわよね)  でも、そう思いなおして自分を正当化する。 「……俺も、食べるか」  彼が小さくそう呟いて、対面の椅子に腰かける。その姿を見て、芽惟はハッとして立ち上がる。 「お茶、入れますね」 「……どうも」  冷蔵庫の中には、ここに来るまでに購入したお茶がある。二リットルのペットボトルを出して、コップを出す。 「というか、あなたはお茶飲まなかったんですね」  敦也がフォークを出しつつ、そう言葉を投げかけてくる。 「まぁ、コンビニでお茶買って、その場で飲んじゃいましたから」 「へぇ」  興味深そうな声を上げて、敦也がパスタに口をつけていた。その近くに、コップに入れたお茶を置く。 「……というか、芽惟さん本当に食べるの早いですね」  彼がなんてことない風にそう言うのは、会話の方法を探っているからなのかもしれない。  心の中でそう思いつつ、芽惟は苦笑を浮かべた。食べるのが早いのは、昔からだ。 「まぁ、そうですね。食べている時間があるのならば、仕事をしようって思っていたので……」  企業のために、心身を削って働いてきた。  敦也が援助をしてくれたので、その必要はなくなった。けれど。 (あれは、無駄じゃなかったのよね)  きっと、芽惟があれだけ働かなかったら。企業は敦也が援助してくれるまで持たなかったかもしれない。そう、思う。
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