第2章 同棲生活、始まります

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「朝食は、どうしますか?」  一応そう問いかけてみる。冷蔵庫の横にある箱の中にある、大量の栄養補助食品は見ないふりをした。 「朝食は、適当にゼリーでも飲みます」  彼はさも当然のようにそう言ってくる。……うん、この態度からしてそれが日常なのだろう。  ……芽惟からすればあり得ない生活だ。 「……朝食くらい、しっかりと摂ってください」  自然とむすっとしてそう声を上げてしまう。敦也が、驚いたように芽惟のほうを見たのがわかった。 「手間になる」 「一人分も二人分も大して変わりませんので」  それは、芽惟の本音だ。  一人分を作ろうが、二人分を作ろうが。同時進行ですれば大した負担にはならない。  むしろ、彼の食生活のほうが心配になってしまう。 (栄養はゼリーとか、補助食品とかでも取れるけど……)  かといって、そういうもので朝食を済ませるのはちょっといただけない。  その一心で、芽惟は冷蔵庫を開ける。昨日ちょっとだけ買っておいた食材を手に取っていく。
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