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それを理解して、芽惟はほっと息を吐いた。その後、自身もスクランブルエッグを口に運ぶ。
(ここにウインナーかなにかあれば、完璧なんだけど……)
となれば、今日買い物をしたほうがいいだろう。
そう思い、芽惟はうんうんと大きく首を縦に振る。
そんな芽惟の姿を、敦也が興味深そうに見つめている。もちろん、芽惟はそれに気が付かない。
「ところで、芽惟さん」
ふと、敦也が声をかけてきた。なので、顔を上げて彼を見つめる。敦也は、何処からかカードのようなものを取り出した。
「……これは?」
「買い物用のカードです。一応、あなたに預けておきます」
芽惟がカードをぼうっと見つめていると、彼がそう伝えてきた。ほんの少し、驚いた。
「食材とか、これを使って買ってください。あと、生活必需品の類も、ここから」
「は、はぁ……」
ちょっと戸惑ったような声を、上げてしまう。
そんな芽惟の姿を気にもせず、敦也は淡々と説明を続ける。
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