第2章 同棲生活、始まります

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「……生活費は週ごとに。毎週月曜日にお渡しします」  そういう敦也だが、あまり納得がいっていないようだった。  多分ではあるが、彼は現金派ではなくキャッシュレス派なのだろう。だからこそ、芽惟の提案が予想外だったのだ。 「あとは、なにかありますか?」  敦也が芽惟に視線を向けて、そう問いかけてくる。  その問いかけに、芽惟は少し考えた。 「……今のところは、大丈夫かと。なにか必要があれば、その都度お話しますので」  夕食がいらないときは連絡をくれる。生活費は週に一度月曜日にもらえる。  今のところ、それがわかっていれば大丈夫だろう。買い物に行く場所などは、スマホで検索すれば出てくるだろうし。 「そうですか。では、今日の話し合いの場はこれで終わりということで」 「……はい」  そんな大層なものではないような気もしているが……。  心の中でそう思いつつも、芽惟は頷く。大層なものではなかろうが、彼にとってはそれほど重要なことだったということだ。 「そういうことで。ごちそうさまでした。まぁ、そこそこ美味しかったです」  席を立って、彼が芽惟を見てそう告げた。  その言葉に驚いてぼうっとする芽惟を他所に、敦也は部屋に引っ込んでいく。大方、出勤の準備をするのだろう。 (な、なんていうか、イメージとは違う……気が?)  冷徹な若社長なんて呼ばれているから、もっと血も涙もないような人かと思っていたのに。
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