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敦也を見送った芽惟は、リビングに戻ってスマホを操作する。
この近辺の店を調べてみる。すると、一駅先に大型のショッピングモールがあることがわかった。
(駅までは徒歩五分程度だったはず。……ここにしよう)
とりあえず必要なものを書きだしていく。
日用品の類は大体揃っているが、それでも足りないものはある。
なんといっても、敦也は殆ど家事をしない。それゆえに、どうしても足りないものが生まれてしまうのだ。
手に持っていたボールペンを置いて、芽惟は「ふぅ」と息を吐く。
「敦也さんの邪魔にならない程度に、生活をするのは大前提。そのうえで、彼の健康面とかをサポート出来たらいいんだけど」
芽惟はいわば雇われた妻だ。彼の邪魔にならないことが一番。
けれど、ふんぞり返って贅沢三昧……というのは芽惟の性格上難しい。
なんといっても芽惟は仕事が大好きで、働くことが生きがいだったような人なのだから。
そんなことを思っていると、スマホにメッセージが届いた。送り主を確認すると、そこには父の名前が表示されている。
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