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「――んっ……」
いつの間にか眠っていた?
何があったかいまいちよく思い出せない。
ぼんやりとする頭は、あるものを見た瞬間に一気に覚醒した。
「ギャ――――――――――」
まっ魔王がいる。
裸で寝てる。
俺ももちろん裸。
女は??どこへ行った!?
「どうされましたかー!?」
バァーンと扉が開いてとんでもないイケメンが真っ裸でやってきた。
「ギャ――――――――――」
「うーん、騒々しいな
おや、目覚めたか我妻よ」
魔王がニッコリと微笑んで言った。
「ん?おい、お前、またマーリンとやってたのか
そのままの姿で来るな
妻が驚いているだろうが」
「あぁ、これは失礼致しました」
ポワンと音を立てて、見慣れたふわふわの魔物姿に変身した。
えー、あんなイケメンだったのー?
「おめでとうございます
無事に初夜を終えられたのですね」
「そんな事言わせるな
なぁ?」
「終えてませんって」
「ほぉ、忘れたとは言わせんぞ?
あんなにも熱い夜を過ごしておいて」
「えっ、どういう事!?」
「俺の棒を咥え込んでかわいい声で鳴いていたではないか」
「棒……」
「そう、ただの棒をな」
そう言って魔王は棒を見せつけた。
棒って……そのでかいやつ!?
どういう事だ?
途中で入れ替わったのか??
「でも、女だった
入れ替わったのか?」
「いーや、最初からずっと俺だ」
「??」
「姿を変えることなど容易いことだからな
お前が望むならどんな姿にでも変えてやるぞ」
クククと楽しそうに笑った。
そんな技あるのか……。
完敗だ。
「さぁ、続きをしようか
お前は体力が足りぬ
もう少し体力をつけてもらわねばならんな」
「いやだ――――――
おい、おっ始めようとするな
ふわふわがいるんだぞ」
魔王がふわふわを睨みつけた。
「いつまでいつるつもりだ?
妻が恥ずかしがっているじゃないか
邪魔をするな」
「すみませーん、失礼しまーす」
ふわふわが飛んでいった。
あぁ、行かないで……。
「さぁ、また子種を注いでやる
早くかわいい子を作ろう
マイハニー」
「い――――や――――」
魔王を落とした男の苦難はまだ始まったばかりである。
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