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「魔王さまー!!」
「チッ、うるさい」
せっかく眠ろうとしていたのに、起こしやがって。
「大変です、来ましたよ
勇者様が」
「は?勇者だと?」
「ほら、前にチラシを出したじゃないですかー?
魔王を倒してくださいってやつ
あれを見て来たんですよー」
「どうせろくでもないやつだろ?
適当にお前が相手をして帰せ
俺は寝る」
「いやいや、お会いしたほうがいいと思いますよー?」
楽しそうに笑う。
「お前のその言葉に俺は何百回も騙されてるんだぞ
信じられん」
「今度はほんとに
ぜーったいにお気に召すはずです
自信あります
行くっていうまで動きませんよ」
めんどくせー。
あんなチラシを見て来るなんてバカに決まってる。
……いや、待てよ。
そんなバカの顔を拝んでやるのも悪くない。
どうせ暇なんだ。
くあっと欠伸をして返事をした。
「はぁ、そこまで言うなら仕方がない
行ってやるよ」
「わーい、ありがとうございまーす!!」
嬉しそうなやつの後に続いて客間に向かった。
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