#34 本当によかったね

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「あ。もしかして桜沢くん?」  鈴虫の声に突如として重なった親友の名前に、一路が「え?」と門脇を見やる。 「瞬人がどーかしたんすか」 「あ、いや。なんか可能性あるかもって思って」 「なんのっすか」 「んー……間違えてたらたぶん変な空気になるから、今は言えない」 「え」  不可解な門脇の発言に、一路の首が斜めに傾く。  廣瀬さんと桜沢くん……案外お似合いだな。  なんて一瞬ふたりをくっつけてみた自分の予想は的中していたと、門脇が知る未来もそう遠くはないだろう。
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