雨乞い

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 ニュースをみていたら、雨乞いの儀式がおこなわれていた。ダムが渇水してきたので雨乞いを行うということで、竜が落としたうろこをみんなでさわって祈願していた。その竜のうろこというのが、誰かが木でつくったようにみえた。だけれどもみんな本気なのである。ローカルニュースは面白い。  わたしはそう想った。そしたら翌日、本当に雨が降ったのである。あの雨乞いの儀式で降ったのか、それとも、アメダスみたいなものをみて、降ることがわかっていて儀式をしたのか、定かじゃないなって穿っておもった。子どもの頃だったら純粋に信じていたのに、そのように感じてしまったのである。いけないなあ、と想った。みんな信心深く竜のうろこをさわってお祈りをしたその力が一丸となって雨を降らせた。そうもっと固く信じなければならないな。その竜伝説は、昔、昔、天から落ちた子供の竜がいて、お寺に少女に姿をかえてお参りをされたそうな。100日通ったら、願いはかなえてあげましょう、ということで、願い通りになったお礼に、雨をざあと降らせてくださって農作業に困らないようにしてくださった、という伝説だそうな。  そういう伝説を信じる心は大切だな、って想う。わたしももっと少女の気持ちをもたないといけないなって想った。  
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