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「そういやあの時礼を言うの忘れてたな。ありがとな。そんじゃさっさと雨降らせるのやめてもらっ…」
「うっうっうぅうう」
おいおい急に泣き始めたぞこの子。
雨より先に涙をやませてちょうだい!
「どうしたんだ雨賀さん。どこか痛いの?保健室でも行く?」
誰か保健委員いませんか!
いたらこの子を連れてってください!
「う、嬉しいんです…!私の…この雨を降らせる力を感謝してくれたの、先輩が初めてなもので…!」
あー感動で涙腺が緩んじゃっただけなのね。
「先輩は私が思った通りの、良い人ですね。そんな人にお近付きになりたくて、また私はこんな風に雨を降らせてあなたとお話をしたかった」
そうだったんだ……いいありがた迷惑だよほんと。
「あの…雨賀さん」
ふと俺は何かに気がついた。
「なんだかだんだん雨の強さが増してるような気がするんだけど…」
この子が泣いてからだんだん辺りが真っ暗になって雨が激しく地面や学校を打ちつけてきやがった。
「ご、ごめんなさい!私の感情によって、雨の威力は変わるそうなんです」
マジいらない設定!
「とりあえず泣き止もう!周りも更に困ってるからさ。どうしたら泣き止んでくれるかな?」
千円?千円でいいかな?
いつか払ってやるから今は百円で勘弁してもらいたい…!
「私の傘の中に…誰かが入ってくれたら…泣き止みそうです」
そうか……"生贄"が必要なのか。
誰かぁ!死にたい奴は前に出てくれませんか!
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