587人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?!そんな!美織さんみたいな素敵な先輩と近いだなんて、畏れ多いです!!」
私は大橋さんの言葉に驚いて、そう言った。
美織さんに近いだなんて…お世辞だとしても、かなり嬉しい。
「ぶっ…アイツそんなに偉くなったのか…」
私の言葉を聞いた大橋さんは、くっくっと笑いを堪えながら言った。ひとしきり笑うと、大橋さんは私を見て言った。
「まぁご一緒してもらえるのは嬉しいけどな?でも今から行ったらかなり遅くなるし、明日も仕事だからな。それに、榎原は同期達と食べて来ているんだろ?だから、付き合ってもらうのは悪いよ」
「でも…」
私がそう食い下がると、大橋さんは少し考え込んだ後、提案した。
「じゃあ…明後日の金曜の夜、晩飯に付き合ってもらえるか?そこで話もするよ」
「…はい!よろしくお願いします!」
私がそう言うと、大橋さんは満足そうに頷いた。
急なことではあったけれど、話を伺うついでにご飯に行く話を取り付けてしまった。まさかこんなトントン拍子に行くとは思っていなかった。でもこれで、大体のことは分かるだろう。
その後は、少し会話が慣れたお陰で他愛のない話をしながら、帰路に着いた。
翌日。
前日、暗い顔をしていた美織さんだったが、出社をしていた。その表情はいつもよりは固いけれど、昨日よりかは良かった。
でもやはり小森くんが言ったように、美織さんが不正をしたんだと白石さんが言ったせいもあるのだろう。晴美さんや大橋さんが、美織さんが出社していたことに驚いていたし、何より藤枝さんがちょくちょく企画部に顔を出していた。
最初のコメントを投稿しよう!