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「めちゃくちゃ分かる!俺もそうだったよ。
あ、高校くらいになると自分でファミレス行ったりするじゃん?ドリンクバーでメロンソーダを入れて、ソフトクリーム頼んで乗せたりしてたわ」
大人の大橋さんしか知らないため、高校生のときの大橋さんがそんなことをしていただなんて、あまり想像がつかなかった。
「な…なんだよ」
大橋さんが怪訝そうな顔でこちらを見ている。というのも、私の中では意外過ぎて、笑いそうになるのを堪えていたのだ。
「だ…だって、大橋さんがそんなことするなんて、何だか想像がつかなくて…」
体が震える。口を開けば声を出して笑いそうになる。
「そんなに笑うことないだろ。俺だって普通の高校生だったぞ」
少しむくれながら大橋さんは言った。
「ふふっ…ごめんなさい」
前にもあったけれど、時々子供っぽく拗ねたり、はしゃいだりすることがある。そんな大橋さんが、なんだか可愛く見えてしまうことがあるのは、私が彼を好きだからだろうか。
「お前…悪いと思ってないだろ」
大橋さんは拗ねながらクリームソーダを飲む。
「…大橋さんもそういうところがあるんだなぁって発見でした」
私がそう言うと、大橋さんはびっくりしたような顔付きになった。
「え…私、何か変なこと言ってしまいましたか…?」
不安になった私は、思わずそう口にした。すると大橋さんは、さっと視線を外しながら、
「あぁ、いや、何でもない。全然変なこと言ってないよ」
と、慌てたように言った。
その後、クリームソーダを飲み終えた私達は、会計を終えて、次のお店に移動しがてら、街を散策した。
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