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やがて健さんの手が、私の部屋着の上を通り、トップスの裾からするりと入ってきた。その手は身体のラインをなぞりながら、胸の辺りまで来ると、下着の上から膨らみに触れ、まるでその弾力を味わうかのように揉んだ。
「ん…」
思わず声が漏れる。
「奈々…可愛い…」
私の反応を見て、呟くように健さんは言った。
そうしてやがて、部屋着を脱がされ、ブラジャーとショーツだけの姿になった。気が付けば、いつの間にか健さんも下着だけの姿になっていた。
「奈々…」
名前を呼ばれながら、再び健さんに抱き締められた。先程よりも肌が触れる面積が増え、健さんの体温をより感じる。緊張や恥ずかしさが交じり、ドキドキと鼓動が大きくなるように感じて、それが健さんに聞こえてしまうのでは…と心配になる一方で、触れていることでの安堵感もあった。そこから少しずつ、もっと触れたい、触れて欲しいという想いが芽生え始めた。
「健さん…」
健さんの大きな背中に手を回して、もっと触れようとしてみる。だけど、なんだかぎこちなくて、上手く出来ない。
「奈々?どうした?」
健さんが不思議そうに聞いてきた。
「あ、の………健さん、に、もっと触れたくて…でも上手に出来なくて…」
私がそう言うと、健さんは再び私を抱き締めた。
「…これでいいか?」
健さんの問いに私は頷いた。しばらくそうしていると、お腹の辺りに熱を持った硬いものを感じた。
思わずその方に視線を向けてしまうと、健さんが恥ずかしそうに、
「…仕方ないだろ。こんなにくっついてるんだから…」
と言った。
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