13.深愛

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健さんがそう言った直後。私は絶頂を迎え、弾けた。全身が震え、余韻がしばらく治まりそうになかった。 「…大丈夫か?」 健さんは私を抱き締め、ゆっくりと頭を撫でながら聞いてきた。 「大丈夫、です…」 私は何とか呼吸を整えながら、そう答えた。 その後、健さんは言葉を発しなかった。不思議に思って、健さんの表情を見ると、何か迷っているようだった。 「…たけ、るさん…?」 どうしたんだろう、と思い、声を掛けると、 「…奈々、疲れていないか?」 と、心配そうに言われた。私は何故そんなことを聞かれるか分からないまま、こくんと頷いた。 「奈々の中に挿入(はい)りたい…。さすがに俺ももう限界…」 昨日進めなかったその先へ進むことを、健さんに切望される。 そんな健さんに私は両手を伸ばした。 「健さん…来て…」 大好きな人と繋がりたい…そんな想いで私は言った。 その瞬間、健さんの瞳の色が変わった気がした。健さんは「ちょっと待ってて」と言うと、ベッドの傍に置いていた鞄の中から、いつの間にか購入していた避妊具を取り出し、素早く装着するとベッドに戻って来て私を抱き締めたかと思うと、唇を始め、身体の様々な部分に口付けた。 口付けられる度に、ピクッと反応する私を見て満足したのか、熱く硬くなった自身を、私の蜜口にあてがった。 「あっ…」 先端を擦るように当てられ、堪らなくなってしまう。 やがて健さんが私の中にゆっくりと挿入(はい)ってきた。 「あっ…あっ…!」 先程とはまた違う、でも強烈な刺激が全身を駆け巡った。 私が痛くならないように、私の様子を見ながら自身を深く埋めていく。そのせいなのかは分からないけれど、物凄く感じてしまい、軽く弾けてしまった。
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