13.深愛

31/37
551人が本棚に入れています
本棚に追加
/489ページ
「奈々…もしかしてイッたのか?締め付けがヤバい…」 健さんが苦悶の表情を浮かべながら、そう言った。 「あっ…あっ…ごめんなさ…」 不可抗力とは言え、自分だけ達してしまった…。 申し訳なく思っていると、健さんがぎゅっと私を抱き締めた。 「…謝るなよ。奈々がいっぱい感じて、気持ち良くなってくれるの、めちゃくちゃ嬉しいから…」 そう言うと、健さんは私のおでこにキスをした。 「…ほん、とう?」 「当たり前だろ。だから…もっと感じて、奈々が気持ち良くなってる所、いっぱい俺に見せて?」 健さんはそう言うと、最初はゆっくり、そして徐々に速く腰を動かし始めた。部屋の中に、水音や皮膚の当たる音がやけに響くように感じた。 「あっ…ゃん…」 私は堪らず声を漏らす。 「奈々…」 愛おしそうに名前を呼ばれ、私は思わず、健さんにしがみつくようにして抱きついた。 「…どうした?」 健さんが動きを止めて、抱き締め返してくれる。 「たけ…るさん…。好き…好きなの…大好きなの…」 大好きな人と繋がれて、気持ちが溢れて、どうしたらいいか分からず、必死に想いを伝えた。 すると健さんは抱き締めている腕の力を少し強めて、 「うん…俺もだよ。俺も奈々のこと、大好きだ…」 と、微笑みながらそう返してくれた。 その後、起き上がると再び腰を動かし始めた。 僅かに角度を変えながら、私がより感じやすい場所を探すかのように突かれた。 「あっ…ん」 突かれる度に反射的に声が出てしまう。 「あっ、あっ…や、そこ…」 「ん?ここ…?ここが良いのか?」 より敏感な部分を探し当てられ、思わず反応してしまった私を見た健さんはニヤリと笑うと、執拗にそこを攻めた。
/489ページ

最初のコメントを投稿しよう!