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晴美さんはそう言い残し、会議室を先に出て行った。
それからと言うもの、榎原に何と連絡しようかメッセージの文章を考えるけれど、打ち込んでは消し、打ち込んでは消し…の繰り返しだった。
突然メッセージが来たらどう思うだろうか、出張でそちらに行くと言ったらどう思うだろうか、2人で話す時間が欲しいと言ったら時間をくれるだろうか…
そんなことばかり考えてしまい、なかなか思うように言葉が出て来なかった。
結局、榎原に連絡出来ないまま、出張当日になった。
晴美さんとは現地集合なので、俺は自宅から直接仙台に向かった。
今日、榎原に会える…
連絡は出来なかったけれど、そう思うと早く会いたくて堪らなくなった。
いや…まずはちゃんと謝って、ちゃんと話して…だよな。
浮かれてしまいそうになる気持ちを抑えつつ、榎原に会ったら何を言おうか、時間を取ってもらう話をどう切り出そうかと考えていた。
一方で、出張直前まで仕事が立て込んでいたこともあり、宿泊先を探せていなかった。しかもクリスマス直前の週末ということもあってか、なかなか空きがなかったため、そちらもどうしようかと悩んでいた。まぁ最悪は漫喫にでも泊まれば問題はないのだが。
昼頃に仙台に着き、昼食を摂った後で晴美さんと合流し、仙台にある支社へと向かった。
いよいよ、榎原に会える…。
そう思っていたのだが、着いて早々、休む間もなく、すぐに会議に入ることとなってしまった。
挨拶くらいはしたかったのにな…と思いながら、指定された部屋へ向かっている途中、通りがかった部屋の片隅に、見覚えのある後ろ姿が見えた。
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