戯言姫と雨の国

1/18
前へ
/18ページ
次へ
 はるか昔この国には神がいた。神は元々自然の力を自分のものとして使うことができた。  しかし人間は非力だった。そこで神は人間に対し魔物の形で自然の力を分け与えた。  人に使われるだけに存在する魔物。その姿は人間によく似ていたけれど、血は巡らず、体温をもたず、その背には大きな羽があった。  魔物は従順だった。彼らは自分が存在する意義をよくわかっていた。  それから、時は流れ——
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加