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後日、わたしはダメもとで係長に転属の意志を伝えてみた。
「いいんじゃね?」
思いの外、あっさりと転属願いが受理された。梅雨明け宣言の方は係長に任せ、わたしは上階のフロアへ荷物を持って移動した。
そこは同じく三人程度の職員がいて、みんな暇そうにパソコンで動画を見ていた。
「あのう、今日からここに配属された雨宮ですが」
わたしがそっと声をかけると、係長らしき男性がにこやかに笑って手を振った。
「ああ、聞いてるよ。ようこそ、紅葉宣言係に」
「……チェンジで」
簡単に異動が認められた時点で怪しむべきだったのだ。天はわたしにどうしても宣言をさせたいらしい。
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