見知らぬ再会

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 学校帰りによく行っていた駅前の喫茶店に三人で入った。いつもの席もちょうど空いている。 「ヒロ、飲み物だけ?」 「あたし今……ダイエット中で、間食は禁止にしてるの」 「あたしもさあ五年前からは5キロは増えたよ。さっきお昼食べたばっかりだけど、ここに来たらこのチーズケーキ食べないと気が済まないんだよね」 美々の相変わらずぶりにやっと紘子はホッとしたように 「高校の時の体重に戻るまでの我慢。あと10キロだから、二ヶ月後くらいかな。そしたらまた一緒に食べよう?」 「あと10キロ?」 ずっと黙っていた静香がその言い方に反応した。あと、10キロ。 5キロ太った美々が本気で食いつく。 「二ヶ月で10キロ落とすの?きつくない?」 「あでも一日にしたら200グラムなんだよ」 「へえ、そう言われると難しいことじゃなさそうだね。5キロ戻すなら一ヶ月かあ」 「パフェ、頼んでいい?」静香が言った。 店は混んできているし、昔からこの店はパフェが出てくるのが遅くて有名だ。変な名前が付いているからなんとなく頼みづらいし、常連の間には言いにくい話があるときに注文する暗黙のルールみたいなところがあった。 不穏な空気は遂にスルーしかねる域へとレベルを上げ、美々すら黙ってしまう状況になってとうとう紘子はすべてを打ち明ける覚悟を決めた。
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